
先月(2025年6月)、ショート映画のサブスク SAMANSAで観た作品の中で、特に心に残った5作品を挙げていきます!
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『キスメット・ダイナー』
ダイナーで働く女の子は、お客さんに恋をする。彼への想いを込めて歌をうたうが、いつも、見向きもされないのだった。
まるでホットチョコレートのような映画です、などと気の利いた感想を言ってみたいのですが、それだけでは表しきれない、シンプルでいて奥の深い作品です。そして、どの場面を切り取ってもお洒落。
登場人物それぞれの笑顔が素敵です。特に、主人公が、ある光景を目の当たりにして立ち尽くしたあとで滲み出てくる微笑み。彼女の可愛らしさとか、人柄の良さとかがギュッと凝縮されていて、時間にして数秒なのですが大きな意味を持ったシーンに思えました。
ストーリーについては、実は、あらすじを読んだ時に、こういう展開をするんじゃないかな、とあらかた予測ができました。だからと言って、先が読めてしまう、よくあるタイプのお話かというと、全くそうではありません。
こうなってくれたらどんなにハッピーだろう、というほうへ話が進んでくれるので、安心して観られて、あたたかい気持ちになるのです。
短時間でこんな風に幸せを感じさせてくれる映画って、なかなかないのではないでしょうか。
『スカイプCEO』
Zoomに対しての文句が止まらないスカイプCEOのブチギレ動画。
「やあみんな SkypeのCEOのランドン・バブランダナナバンです」
という冒頭の自己紹介で既にツボにハマりました。何その不思議な名前。
日本語の話し方と英語の話し方って、当たり前だけど、口の開け具合とか、顔の筋肉の使い方とか、それから身振り手振りの多寡に至るまで、全然違うじゃないですか。
でも、感情が振り切れると、なんでか同じような感じになるんだな、と思いました。
あー分かる分かる、分かるよ、そりゃブチギレるよな、スカイプCEO。と、勝手にCEOの気持ちに寄り添って爆笑しながら観ました。
留学していた4年間、Skypeには本当にお世話になったな…。
でも、先日、サービスが終了してしまった。切ないですね。



この作品を観ている時はちょっとも切なくならない、ただただ笑えるんだけどね。
『クロコダイル』
ゲーム実況をするYouTuberの配信を、夫に隠れてチェックする女性。食い入るように画面を見つめていた彼女は、意を決して、ひとつのコメントを送信した。
始めのうちは、強張り、緊張感が走っていたようにも思われた女性の顔。そこからの変化に、こちらの心まで解きほぐされていきました。
YouTuberの彼のキラキラした目がなんとも可愛いです。
この映画、SAMANSAのレビュー欄でも絶賛されていますが、みなさんのレビューを読んで、(もうほんとその通り!泣けますよね!!)と大共感しています。
『クロコダイル』という作品名がまた最高。なんてお洒落なタイトルの付け方なんだ!って思います。
『少女』
突然、少女が父親と二人で暮らす部屋のドアベルが鳴り、見知らぬ男が力尽くで侵入してこようとする。恐怖と戦いながらも、少女は必死で阻止しようとするが…。
『母なる証明 』『渇き』など、韓国のゾッとする系の映画が好きです。
初めて観る韓国の短編映画も、怖そうなものから選んでみようと思っていたところ、この映画のビジュアルが目に留まりました。
ただ、この作品は、「ホラー描写はあっても、ホラー映画ではない」です。ホラーではないけど、そんなことはもはや全然関係なく、観て本当に良かったです。
あまり詳しく書くと結末に触れてしまうので控えますが、社会問題やその背景に鋭く切り込んでおり、
──これをフィクションの世界のできごとと捉えますか?
と、観る人に疑問を投げかけてきます。
ともすれば日常的に起こっていることかもしれない、知っている人もこのような恐ろしい思いをしたことがあるかもしれない、誰しも当事者にならないなんて言い切れない。
観終わった後で、画面の向こう側の「少女」をおそった恐怖が、リアリティを持って迫ってくる作品でした。
『一本の電話』
「お悩み相談所」の電話相談員として働く女性。つらそうに声を絞り出し少しずつ今の状況を語ってゆく電話の相手に、真摯に向き合うが、驚くべき事実を告げられるのだった。
映画『パディントン』や『シェイプ・オブ・ウォーター』で大好きになった女優さん、サリー・ホーキンスの出演するショートムービーが観られるなんて感激!と、ずっと前から思いつつも、予告編を観て(この作品は、心して鑑賞しないといけない)と感じていました。
先日、やっと鑑賞することが叶いましたが、観終わってからさまざまな感情が押し寄せてきて、どうにも余韻に浸る時間が必要だったので、何となく観なくて本当に良かった、時間と心に余裕があるときを選んで正解だった、と思いました。
サリー・ホーキンスがこれまでの出演作品で見せていた、弱った心に寄り添うような優しい表情、ひっそりとした悲しげな表情がとても好きでしたが、この作品でも見ることができ、嬉しく思っています。
この記事を書くために、もう一度『一本の電話』を鑑賞しました。
生きていくことは必ずしも希望にはつながらないが、生き続けることで自ら希望を掴み取りに行くことはできるんだな。
そんな感想を、いま改めて抱いています。
おわりに
先月観た作品の、TOP5を挙げさせていただきました。
制作国は以下の通りでした。
『キスメット・ダイナー』 イギリス
『スカイプCEO』 アメリカ
『クロコダイル』 スペイン
『少女』 韓国
『一本の電話』 イギリス
観賞して心に残った短編映画TOP5を一ヶ月毎に記録した投稿も、3回目となりました。
いつも作品の制作国を最後にメモしているのですが、これまでの記録を見返してみると、今のところあの国の映画が一番多いんだな、そういえば最近は文学もあの国のものに魅かれることが多いしな…、なんていう感じで、気づきがあります。
とは言え、見事にいろんな国が揃っているので、自分の興味のベクトルが様々な方向を向いており、その時々で観たくなる空気感や作風があるということも改めて認識しました。
さて、7月も半ば。暑い暑い季節が到来しましたが、心のオアシスとなってくれる作品に出会えるような予感がしており、楽しみです。



この夏も、スキマ時間でショートムービー楽しむぞ。


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