短編映画(ショート映画)のサブスク、SAMANSA を利用し始めてから、1ヶ月と少し経ちました。
先月観た作品の中で、特に心に残った5作品を挙げていこうと思います。
映画、TV番組、ライブTV、スポーツを観る【Amazon Prime Video】
『ミスター・インビジブル』
一人暮らしの高齢の男性。電話口で家族から、店先では店員から、ぞんざいな態度を取られる。そんな彼は、「あること」をするために、街中へと出かけた。
おしゃれで品のあるおじいちゃんだなぁ。家の中のアンティークな品の数々、素敵だな。
それにしても、皆、どうしてこんなに非道い態度でおじいちゃんに接するのだろうか。悲しくなる。涙が出そうだ。
人に優しくするって基本的なことだろう、高齢者の方々は人生の先輩じゃないか、何なんだその嫌味たっぷりの振る舞いは…!!と、ムカムカ・プンプンしながら観ていました。
ところが。

お、おじいちゃん…!?
エンドロールが始まっても、最後の最後まで目を離すなかれ。The ショートムービーって感じで、ぐっと来る作品でした。
次の作品をご紹介する前に、もう一言。
この映画、二度目に観る時、めっちゃハラハラしますよ。
『夢の中で』
眠りにつくたび、姿が消えてしまうようになった娘。苦悩の日々を送る父親だったが、やがて親子は、想像だにしていなかった局面を迎えることとなる。
この作品については、いつか別の投稿で、ネタバレ有りで自分の解釈を語ってみたい。そう考えるほど、刺さる短編でした。
意味ありげな台詞が多く、また、それらを意味ありげに聞かせる俳優陣の演技も素晴らしいのだと思います。
行ったことのない国の映画を観たいと思い、制作国で検索をしてみたところ、フィンランドの映画である、この『夢の中で』を見つけました。
そうして気軽に見始め、実際、聞き慣れない言葉であるフィンランド語が耳にとても心地よかったのですが、心にずっしりと残り、何度も何度も思い返してしまう作品でした。
あまりにも可憐な女の子。寒々しく寂しい景色。しっかりと手を繋ぐ父と娘。
どこまでも切なく、でも、ほんとうに美しい物語です。
『ラット・テール』
ラット・テールとは、長く伸びた後ろ髪のこと。かつてラット・テールを持っていたチャドの、自伝的映画。写真やホーム・ビデオに映る明るい笑顔の少年は、何を思って生きてきたのだろうか。
自伝的ドキュメンタリー。ちょっと昔の雰囲気が、とてもチャーミングです。
作品中にたくさん登場するチャドが少年時代に書いた字や描いた絵が、何ともアメリカンで(アメリカ人だから当たり前だけど)、印象的です。うまく言えませんが、とにかく、(この感じ大好き!)と思いました。
ユーモアに満ちていてテンポが良く、こんなにおもしろい自伝的ドキュメンタリー映画があるのだな、これからはもっとドキュメンタリーも観よう、と思わせてくれた作品ですが、実はとても重いテーマを扱っています。
チャドが家族に「ある告白」をする場面では、彼の痛みが伝わってくるように感じました。でも、きっと、本人の痛みは想像を絶するものなのでしょう。
最後は、希望の光が差し込む終わり方でした。
SAMANSAでは、この作品は、残念ながら先月(2025年4月)下旬で配信が終わってしまいました。
が、YouTubeで観ることができます!※日本語字幕はありません。
配信終了間近でこの素晴らしい作品を知ることができ、幸運に思っています。
『スロー・ウォレット』
お会計の場面になると、“デンデデ、デンデデ…”の音楽が流れて動きがスローモーションになるたのしい映画。
「財布を取り出すのがクソほど遅い」の文言に魅かれて観ました。目を引くキャッチコピーって、大事ですね。観て本当に良かったです。くだらな面白くて、最高でした。
主人公にひとこと言いたい。
涙を流すな、涙を。


『スチューピッド・ボーイ』


両親の愛に包まれて過ごす、風変わりな少年マイケル。自爆テロを企てる中年男性。そんな二人が、ロンドンの街中で出会った。
作品の長さが約15分ということは分かっていたので、初めて観たとき、終盤が近づくにつれ思ったのは、「物語はこのまま終われるの?一体どうなってしまうの?」ということ。
しかし、息を詰め、瞬きするのも忘れてしまう、そんなラストが待ち受けていました。
SAMANSAによる解説も必見です。
私は聖書を読んだことがないのですが、この映画の解説を読んで、(いちど聖書を読んでみなくては。愛に関して何か大切なことがいろいろと隠されているに違いない)と感じたのでした。
また、解説によると、この映画が生み出されたきっかけは、2005年に起こったロンドン連続爆破テロとのこと。当時、監督はロンドンにいたのだそうです。
この心温まるお話は、映画のなかの出来事です。でも、人と人との触れ合いが奇跡を起こすって絶対にある、きっと日常的にもある、そんなことを確信させられるという、得がたい体験ができました。
おわりに
SAMANSA は、色々な映画を観たいけど時間がない、という私みたいなタイプにはぴったりのサブスクだと常々思っています。
作品を制作国でも検索できるのですが、映画を通して画面の向こう側から滲み出てくるその国ならではの「何か」を感じるのが、自分にとっての楽しみでもあるので、大満足しています。
因みに、上に挙げた5作品の制作国は、以下の通りでした。
『ミスター・インビジブル』 イギリス
『夢の中で』 フィンランド
『ラット・テール』 アメリカ
『スロー・ウォレット』 アメリカ
『スチューピッド・ボーイ』 イギリス
今後、どんな国の映画に出会えるのか?どんな作品を自分は好きになるのか?とても楽しみです。
余談ですが、短編映画にハマりまくっている私、ある日どうしても夜中に観たくなって、布団をかぶって視聴したのです。
そしたら、首が動かなくなりました。
とっても痛かったので、整形外科に行きました。
皆様も、ハマるのは大いに良いと思いますが、どうか布団をかぶって観ることだけはしないように。

